シガーボックスといわれる箱はいつ頃からあるのでしょうか?
アメリカにおける葉巻の取引きは19世紀初頭まではバルクで大きな袋に入っていたり小さな皮袋に小分けしたりという形態だったようです。木の箱に入れるのが一般的になってきたのは1840年頃と言われているようです。特に1861年に始まった南北戦争の費用をまかなうためにリンカーン政権によって葉巻をはじめ幅広く物品税が課せられるようになったことが大きかったようで、25本入りの杉の木箱に税金のシールを貼ったものが葉巻の取引の主体になったようです。杉の木は葉巻の風味を保つ機能もあるようで、葉巻のパッケージとして最適だったようです。
箱は店頭でのPOPも兼ねており、25本入りの箱の蓋を開いて置いておき客はその箱から必要な本数を取り買っていたようです。そのため蓋の裏側にも表と同じような字や絵が書いてあり「1本25セント」などという表示があるものもあります。中身が売れてしまえば箱は不要となりますから廃棄されいろいろなことに利用される・・ということになったようです。考えてみれば日本でも役目を終えた「みかん箱」「人絹箱」という木箱を机や本棚にしたり物入れにしていたという記憶がありますね。
25本入りの木箱というサイズが楽器という用途にぴったりだったということでしょうか。
現在のシガーボックスは合板、いわゆるベニヤ板製が主流で、中にはMDFやボール紙製のものもあるようですが、古いシガーボックスがギターの表板に使われるような
杉の単板で作られていたというのは楽器作りという観点からは大変魅力的なんですね。
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