ウクレレの修理で多いのはブリッジ の剥がれと表板の剥がれ、そして落下によるサイドの穴あきといったところでしょうか。
最近のウクレレでは少ないですが、60年代までのハンドメイドのウクレレは表板が極端に薄いため表板の割れも多いようです。戦前のハワイ製などを見ると表板の割れを修理して裏にパッチが当ててあるものが多々あります。
Kamaka の古いもののなどは修理で剥がれた表板を見ると約1.2ミリ程度あるいは部分的にそれ以下に手で削ってあります。割れないほうがおかしいくらいの薄さです。
表板、つまり弦の振動をまず音として鳴らす役割をするものです。スピーカーのコーンみたいなもので薄ければ薄いほど大きく振動します。
表板以外のボディーはスピーカー・ボックスみたいな役割があり、コーン自体の振動が前に出るだけでなく、内向きの振動が箱の中の空気を響かせ、サウンドホールから前に出て、さらに大きな音になると考えられます。
しかし昔のウクレレは表板以外もできるだけ薄く、質量を抑えて作られています。表板と一体となって箱自体も振動するように考えているようです。ですから古いウクレレを手にするとものすごく軽く、そして弾いてみるととても大きな音がするんですね。
ただ、この作り方は大きな音が出るメリットの反面、華奢で壊れやすくなるというデメリットもあります。現在では各メーカーともそのバランスをとって厚みを決定しているようで昔ほど極端に薄いものは少ないようです。
今はピックアップで電気的に音を増幅できますしね。
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