ウクレレの修理では、ブリッジが剥がれたとか、トップが口を開けてしまったなどの修理が一番多いのですが、基本的に古い接着剤をきれいに取り除き、木の面を出して新たに接着し直すという作業になります。
接着剤といえば、誰もが「より強固」なものほど良いと思うのが普通ですが、木製の楽器の場合「ほどほどの強さ」とか「剥がせる」ということを重要視する考え方があります。それはいざとなったら剥がして修理できるからです。
ヴァイオリン製作やクラシックギター製作などでは「膠(ニカワ)」という動物の骨や皮から作られる接着剤が昔からずっと、今でも使われています。化学合成接着剤に比べて熱や湿気に弱いのですが、逆にいえば熱と湿気を与えることで剥がせるわけです。部分的な部材の交換や何十年に一度かもしれませんが分解掃除のようなメンテナンスも可能だと言えます。
最近の木工用接着剤には熱にも水にも強い相当強力なものもあり好んで使うビルダーも多いのですが、何か不都合が出た時に「切り落とす」「壊す」といった対応しかできないということでもあります。なんとなく作ったものが「使い捨て」になるような気がしてしまいます。
TAILGATEではニカワに比べたらかなり強力な化学合成接着剤ですが、熱と湿気には少し弱いという接着剤を使っています。ま、気安めですかね。
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