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執筆者の写真TackM

箱の表を使った新しいモデルを追加

更新日:2022年1月6日

シガーボックス ・ウクレレは、いったいどんな音が鳴るのか?どれくらいの音量で鳴るのか?など普通のウクレレと違ってなかなか想像がつかないものですよね。実際、使用するシガーボックス によって音色も音量も全く違います。


今までは主としてイベントなどに出店し販売していましたので、実物を手にとって音を出していただき、気に入っていただいたものを購入していただくスタイルでした。


ネットでの販売になり、結果として見た目だけで選んでいただくことになっていますが、この点は製作者側としても大変気になるところではあります。


そこで多少の参考になるかと思い、このブログでリストアップ済みの各モデルや新しいモデルについても少し詳しく紹介させていただこうかと思います。


まず今回は新しいモデル Quintero Soprano Uku RW です。従来のモデルのバリエーションですが、大きな違いは箱の表を使用し装飾性を意識したモデルになっているところです。


表を使うか裏を使うかは好みの分かれるところですが、一般的にアメリカでのシガーボック・ギターを見ると、アコースティックで鳴らす場合は箱の裏を使い、エレキ・ギターの場合は箱の表を使ってシガーボックスらしさというかデザイン性を強調する場合が多いようです。


これは主として箱の作りや構造に起因するもので、紙が貼ってあるタイプの箱の場合、表の板は表にも裏にも印刷した紙が貼ってあります。そもそも弦の振動を大きく響かせる重要な面ですからできるだけ薄い方が振動が伝わります。しかしそれを抑える要素が両面にあるということです。


また表板は蓋としての機能もあるので箱に対してパカパカとゆるいサイズになっておりウクレレのボディとして密閉された箱にするのには色々と工夫が必要になります。逆に裏面はもともと箱として組まれていますのでサイドになる部分と基本的には密になっています。


とは言っても全体の作りはかなりいい加減なもので、板を接着しているというより外側の紙で包んで補強しているような作りも多いので箱の内側にはいろいろと手を入れる必要がありますが・・・


また、紙ではなく全て木の板だけで作られたタイプの箱もあります。この場合全てではないですが蓋になる表の板と裏板の厚さを比べると、圧倒的に表の蓋が厚く、裏板が薄いというケースが多いです。


弦の振動をまず響かせる表板は薄い方が「良く鳴る」と言われていますし、実際そうです。通常のウクレレ であれば 1.2mm から、厚くても2mm を超えることはありませんが、この手のシガーボックス の蓋は厚さが 5mmくらいあるのが普通です。


ということでエレキ・ギターの場合と違ってアコースティックの場合は、弦の振動をまず表板でしっかり大きな振動に変えて、さらにしっかりした作りの箱で響かせるということが求められますので箱の裏を使用したほうが作りやすいということになります。


ところがお客様によっては、シガーボックス ・ウクレレの「シガーボックス であることを強調したい」「飾っておきたい」ということで箱の表を使って欲しいというご希望のある方も少なくありません。


そこで Quintero の箱の表を使ったモデルを製作してみました。

音の響きを損ねないよう内部をいろいろと改良してあります。

音量については裏板のモデルと変わらないくらい、場合によっては少し良くなっている可能性もあります。


基本的にシガーボックス ・ウクレレは通常のウクレレに比べて音質、音量の面では劣ります。特に箱の大きさ(表板の面積と箱の深さ)で音が変わりますので、小さな箱はその分音量が小さくなります。今回の Quintero の大きさはウクレレ にするにはギリギリの大きさです。そのため TAILGATE では全てのモデルにピックアップを内蔵しています。ステージ等で演奏の場合はアンプを使用していただければと思います。


Quinteroソプラノウクレレ3兄弟

左: Quintero Soprano Uku RW / U3002

中: Quintero Soprano Uku W / U3001

右: Quintero Soprano Uku S / U3011


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