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  • 執筆者の写真TackM

2. Kamaka C.B.U. どれがオリジナルなんだ?

更新日:2023年7月11日

Kamakaシガーボックスウクレレのレプリカを作ろうとスタートしたプロジェクトですが資料集めを開始したとたんに問題が浮上しました。実にいろいろな種類が存在するんですね。レプリカも勿論多いのですが Kamakaだと言われるものもどれがオリジナルと言えるのか?というほど様々なタイプが存在します。

有名なウクレレ本で Kamakaが最初に作ったと紹介されているモデルは、中でも一番「オリジナル」と感じられるような魅力的な形をしています。1940~50年代にサミュエル・カマカJr.がタバコ好きの隣人からもらった12箱から試行錯誤しながら7台作ったのだと書かれていますが、どうも「そう言われている・・」ということのようです。


サミュエル・カマカJr.本人に確認したと書かれている資料では本人がシガーボックスでウクレレを最初に作ったのは1960年頃で、隣人からもらった60箱くらいから12台作ったのだと言っているとなっています。1940年代は第二次大戦が始まりハワイでは物資が不足してウクレレ作りも苦労したというような話があるので、その頃に葉巻の箱で作ってみたのではないかという想像が働いたのかもしれません。


さらに本人が自分が作ったと明言しているものはほとんど1990年~2001年くらいに作ったもののようで、本人のサインやkkのマークが入ったものもあります。この期間はハワイでウクレレブームが再燃していたころですから製作の要望も高かったのではないかと思われます。しかし、このころのモデルは前述の「オリジナル」だろうというものとは少し形が違います。まず特徴的なヴァイオリン型ヘッドストックの形は似てはいますがどう見ても短かくて少し角ばっています。これは逆に「オリジナル」の形が長すぎて実用的ではないという判断でデザインを変更したのではないかと思います。


作る側から見て大きく違うのは箱の裏側をウクレレのトップにしていることです。1886の箱であることは裏返しにしないと確認できません。箱の裏をトップに使うことはシガーボックスウクレレを作る者としては理解できます。その方が音を出す楽器としては合理的な製作方法なんですね。最終的に製品として出すためには見た目の面白さより音を優先してその方法になったということかもしれません。


しかし調べれば調べるほど混乱する情報が出てきます。そもそも「オリジナル」だろうと言われるものは箱の表、フタ側をウクレレのトップに使っているので1886の箱を使っていることが見てわかるのですが、よく見るとヒンジがウクレレの下側にくる、天地逆さに箱を使っているのですね。なぜそうしたのかは合理的な理由が想像できません。うっかり失敗した?としか思えません。また、同じころのものだと思われるもので箱の裏を使っているものもあるようなので試行錯誤しながら作っていたということなのでしょう。


さて、どのモデルを基本にしたらいいのか・・と迷っていたのですが、上野のKIWAYA商会ウクレレミュージアムにある一台を見せていただけることになり、まずは見てから考えようということになりました。(続く)

Kamaka Cigar Box Ukulele キワヤ 2

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